記事の概要
皆さん、こんにちは。
旭エンジニアリング 製品技術チームの 橋本です。
Creo Parametricの図面では、2重矢印寸法や2倍寸法が使用出来ます。
今回は、この2重矢印寸法や2倍寸法値について、Creo Parametric4.0の例で
ご紹介します。
なお、この資料では次の図面を用いて説明を行います。
[1]2重矢印寸法の例
2重矢印寸法とは、下図の寸法のことです。
詳細図Aでは、幅1mm の溝直径φ14 の部分が、2重矢印寸法になっています。
これは、溝直径φ14の引出線が2本のうち、1本しか表示できないため、Creo Parametricでは、
自動的に2重矢印寸法にて、引出線が表示出来ない部分までの直径がφ14であることを表示します。
2重矢印寸法で表示したくない場合は、詳細図Bの様に引出線が表示できるような詳細図を作成する必要があります。
詳細図Bでは、幅0.5mmの溝直径φ15の部分が2本の引出線で表示可能な状態になっているため、Creo Parametricは2重矢印寸法で表示しません。
片側ビューの場合は、次の手順で、2倍寸法値を作成することが出来ます。
- 「寸法」をクリックします。
- 片側ビューでモデルの上面のエッジを選択します。
- Ctrlキーを押しながら、モデルで水平中心線を選択します。
- 右クリックしてドロップダウンリストから「2倍寸法値」を選択します。
- 中マウスボタンをクリックして図面に寸法を配置します。
-
クリップ角度寸法が作成されました。
[2]2倍寸法値の公的規格について
「2倍寸法値」は“foreshortened diameter dimension”のことで、2重矢印の表示も含めて、最近のISOやAMSE規格に記載がございません。
「2倍寸法値」と「2重矢印」の表示は、Wildfireからも同様な表示で長期存在していますので、旧バージョンのISOやAMSE規格で定義されており、現在のCreo Parametricでもそのまま流用しているかと考えられます。
つまり、「2倍寸法値」と「2重矢印」の表示は、最新のISOやAMSE規格で定義されておりません。