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2024/10/09

- Creo Parametric 部品を伸縮してアセンブリする方法 -

操作方法/TIPS CAD Creo Parametric

記事の概要

皆さん、こんにちは。

旭エンジニアリング 製品技術チームの 橋本です。

今回は部品を伸縮してアセンブリする方法を、Creo7.0を用いてご説明いたします。

【はじめに】

部品の説明

  1. 図のようなホースAを、アセンブリします。
  2. ホース Aの寸法と寸法名は、図のようになっています。
    寸法名は、ツールタブ>モデル意図グループ>寸法切り替え で表示可能です。
    長さ:300mm=寸法名:d0
    外径:φ50mm=寸法名φd1
    内径:φ44mm=寸法名φd2
  3. ホースAは、長さ:300mmの場合、外径:φ50mm、内径:44mmが基準とします。
    長さが長くなった場合は外径と内径が収縮し、長さが短くなった場合は外径と内径が大きくなるものとします。
    この関係を、リレーションで、ホースAに図のように定義します。
  4. ホースAを図のようなケースに配置します。
  5. ケースのうち側の幅は、図のように奥から、240mm、300mm、360mmです。

【1】アセンブリした部品に伸縮設定をする方法

  1. 上記【はじめに】(1)~(3)で説明したホースAをケースにアセンブリします。
    ホースAの長さが300mmなので、ケースの奥(240mm)ではホースAがはみ出し、ケースの手前(360mm)ではホースAが足りないことになります。
  2. 1本目の奥側のホースAに、次の手順で「フレキシブル」を設定し、ホースAを短くします。
  3. 1本目のホースA>右ボタン>フレキシブルにする>フレキシブルにする をクリックします。
  4. 1本目のホースAがアクティブになり、「ホースA:可変アイテム」のダイアログボックスが表示されます。
  5. 1寸法を指定するため、サーチを利用します。
  6. 図のようにサーチ先に1本目のホースAを指定し、サーチ内容:寸法、サーチ項目:寸法 でサーチします。1本目のホースAの寸法がアイテムに表示されます。
  7. ホースAの長さ300mmの寸法名を確認するため、ツールタブ>モデル意図グループ>寸法切り替え をクリックします。
    ホースAの長さ300mmの寸法名がd0:2であることを確認します。
  8. サーチツール:1>アイテム>ホースA:d0>「>>」をクリックし、選択アイテムに指定し「閉じる」をクリックします。
  9. 「選択」ダイアログボックス>「OK」をクリックします。
  10. 「ホースA:可変アイテム」のダイアログボックスに、「d0」が表示されます。
    「新しい値」にケースの奥の内側寸法である「240」を入力し、「OK」をクリックします。
  11. 構成部品配置の状態で、1本目のホースAの形状が変更されます。「OK」をクリックします。
  12. 1本目のホースAが、長さ240mmに圧縮され、リレーションで定義した太さに太くなって再配置されました。
    モデルツリーでは、フレキシブルのアイコンが表示されます。
  13. 3本目の手前側のホースAに、次の手順で「フレキシブル」を設定し、ホースAを長くします。
  14. 3本目のホースA>右ボタン>フレキシブルにする>フレキシブルにする をクリックします。
  15. 3本目のホースAがアクティブになり、「ホースA:可変アイテム」のダイアログボックスが表示されます。
  16. 寸法を指定するため、サーチを利用します。
  17. 図のように、サーチ先に3本目のホースAを指定し、サーチ内容:寸法、サーチ項目:寸法 でサーチします。
    3本目のホースAの寸法がアイテムに表示されます。
  18. ホースAの長さ300mmの寸法名を確認するため、ツールタブ>モデル意図グループ>寸法切り替え をクリックします。
    ホースAの長さ300mmの寸法名がd0:2であることを確認します。
  19. サーチツール:1>アイテム>ホースA:d0>「>>」をクリックし、選択アイテムに指定し「閉じる」をクリックします。
  20. 「選択」ダイアログボックス>「OK」をクリックします。
  21. 「ホースA:可変アイテム」のダイアログボックスに、「d0」が表示されます。
    「新しい値」にケースの手前の内側寸法である「360」を入力し、「OK」をクリックします。
  22. 構成部品配置の状態で、3本目のホースAの形状が変更されます。「OK」をクリックします。
  23. 3本目のホースAが、長さ360mmに伸長され、リレーションで定義した太さに細くなって再配置されました。
    モデルツリーでは、フレキシブルのアイコンが表示されます。
  24. 3本のホースAの外径と内径の確認結果は、図のようになります。
  25. この「アセンブリした部品に伸縮設定をする方法」を利用した場合、1本目のホースAと3本目のホースAは、アセンブリの中だけで「フレキシブル」設定部品になります。
    単体部品「ホースA」としては、「フレキシブル」設定部品ではありません。「アセンブリした部品に伸縮設定をする方法」ではアセンブリ後の部品に「フレキシブル」設定を行います。

【2】伸縮設定をした部品をアセンブリする方法

  1. この方法では、部品単体に「フレキシブル」を定義します。
  2. 上記【はじめに】(1)~(3)で説明した方法で、新しい部品:ホースBを作成します。
  3. リレーションも同じように設定します。
  4. 次の手順で、ホースBの部品単体に「フレキシブル」を定義します。
  5. ファイルタブ>準備>モデル特性 をクリックします。
  6. 「モデル特性」のダイアログボックスが表示されます。
  7. モデル特性>ツール>フレキシブル>変更 をクリックします。
  8. 「フレキシビリティ:可変アイテムを準備」のダイアログボックスが表示されます。
  9. モデルツリーで「押し出し1」をクリックし、寸法を表示させます。
  10. ホースAの長さ300mmの寸法名を確認するため、ツールタブ>モデル意図グループ>寸法切り替え をクリックします。
    ホースAの長さ300mmの寸法名がd0であることを確認します。
  11. 「d0」を指定し、「d0」をフレキシビリティ可変アイテムに定義します。「OK」をクリックし、ダイアログボックスを閉じます。
  12. 「モデル特性」のダイアログボックス>フレキシブル>定義 に変わったことを確認して、「閉じる」をクリックします。
  13. 新しいアセンブリ「ASM0002.ASM」を作成し、部品「ケース.PRT」をアセンブリします。
  14. アセンブリ「ASM0002.ASM」の奥側に、1本目の部品「ホースB.PRT」をアセンブリします。
  15. 図のダイアログボックスが表示されます。1本目は圧縮してアセンブリするので、「はい」をクリックします。
  16. 「ホース B:可変アイテム」のダイアログボックスが表示されます。
  17. 「新しい値」として、奥側の内側寸法である「240」を入力して、「OK」をクリックします。
  18. 長さ 240mm に圧縮された部品:ホースBが表示されるので、アセンブリします。
  19. 1本目のホースBが、長さ240mmに圧縮され、リレーションで定義した太さに太くなって配置されました。
    モデルツリーでは、フレキシブルのアイコンが表示されます。
  20. アセンブリ「ASM0002.ASM」の中央に、2本目の部品「ホースB.PRT」をアセンブリします。
  21. 図のダイアログボックスが表示されます。2本目はそのまましてアセンブリするので、「いいえ」をクリックします。
  22. 長さ 300mm の部品:ホースBが表示されるので、アセンブリします。
  23. アセンブリ「ASM0002.ASM」の手前に、3目の部品「ホースB.PRT」をアセンブリします。
  24. 図のダイアログボックスが表示されます。3本目は伸長してアセンブリするので、「はい」をクリックします。
  25. 「ボース B:可変アイテム」のダイアログボックスが表示されます。
  26. 「新しい値」として、手前の内側寸法である「360」を入力して、「OK」をクリックします。
  27. 長さ360mmに伸長された部品:ホースBが表示されるので、アセンブリします。
  28. 3本目のホースBが、長さ360mmに伸長され、リレーションで定義した太さ細くなって配置されました。
    モデルツリーでは、フレキシブルのアイコンが表示されます。
  29. 3本のホースBの外径と内径の確認結果は、図のようになります。
  30. この「伸縮設定をした部品をアセンブリする方法」を利用した場合、単体部品「ホースB」は、「フレキシブル」設定部品です。
    「フレキシブル」設定部品「ホースB」をアセンブリする場合、毎回部品に対して「フレキシブル」設定を確認するダイアログボックスが表示されます。

【3】注意事項

IGESやSTEP などの中間ファイルフォーマットをインポートし、そのインポートフィーチャーの部品をアセンブリに組み付けて、フレキシブル機能を付加する機能/設定は、現在のCreo Parametricにはありません。

インポートフィーチャーの部品をアセンブリに組み付ける場合、全ての他の中間ファイルフォーマットでは、フレキシブル機能が付加できませんのでご注意ください。

回避策としては、中間ファイルの形状と同様の形状を、Creo Parametric で作成する方法を検討下さい。


この記事を書いた人

橋本 晃太

旭エンジニアリング株式会社
製品技術チーム セールスエンジニア

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